2011GW 6日目その2 ばあちゃん。。。 [ボランティア]
2011年5月5日(木)
午前中のワークは湊という集落にある個人のお宅です。
石巻市の中心街と湊地区を結ぶ旧北上川にかかる内海橋。
津波で流されたものが激しくぶつかったため、欄干はぐねぐねに曲がっており、道路の舗装もところどころはがれて波打ってしまってます。
旧北上川のすぐ近く、川をさかのぼってきた津波で1階部分は水没した地域。
僕はこのお宅でのワークは初めてだったけど、今までに別の班が何度もワークを行ってきたようで、家具やヘドロは運び出された状態でした。
こちらは老夫婦が2人で住んでますが、おばあさんは足が悪くベットがないと生活が出来ないので、今は施設に避難しているそうです。
今日の僕の仕事は床の掃除の最後の仕上げ。
砂を取り除いてビニールシートを敷いてベットを入れれるようにすること。
ベットが入れば、おばあさんは住み慣れた自宅に帰ってこれるようになります。
ただし、与えられた時間は午前中の数時間のみ。
午後からは別の場所からワークの要請があってそちらに行くことが決まってます。
石巻の教会のボランティアセンター自体が8日で閉鎖されることになっているので、このお宅でのワークはこれで最後。
とにかく時間との勝負。
黙々と雑巾拭き。
これは現地で作業して初めて気が付いた事なのですが、津波の被害に遭った床はヘドロを取り除いてから表面の汚れを拭きとったら綺麗になって完了というわけにはいかないんです。
水圧で細かい砂が木の奥にまで入り込んでしまっているので、拭いても拭いても砂が出てくるんです。
水の力は恐ろしい。
津波に襲われたらひとたまりもないという事を床掃除でも実感できました。
時間だけがどんどん過ぎていきます。
「ばぁちゃん、絶対に家に帰れるようにするから…」
自宅の掃除もまともにしない僕が人生で一番真剣に拭き掃除をしたかもしれません。
何度か拭いて水をまいて砂を浮かせてまた拭きとる。
その繰り返し。
そこまでやっても砂を完全に取り除くことはできませんでしたが、家の方に「ここまできれいになってたらブルーシートが敷ける」と言ってもらえてほっと一安心。
別のスタッフは爺ちゃんと庭の物置小屋の解体作業をやっていました。
70歳を超えた爺ちゃんですが、元大工だけあって、スタッフにも道具の使い方なんかをアドバイスしながら生き生きと作業されていました。
小屋の解体などは重機を入れて解体して運び出せば一瞬で終わってしまう作業です。
でもそこは実際に生活があった場所。
一瞬で全てを壊してしまっては気持ちの整理がつかないんですよね。
効率が悪いかもしれないけど、少人数で一軒一軒回って作業する意味がそこに有ると思うんです。
ゆっくりだけど、話をしながら胸の内にため込んでしまったつらい思いを吐き出してもらいながら一緒に作業をしていく。
被災者の方々に寄り添いながら…
僕たちがお世話になってるセンターで何度も強調されたことです。
庭からかき出して山積みされたままのヘドロの土嚢袋への詰め替え、家の前の側溝のヘドロのかき出し、他の部屋の床掃除等々…
やり残したことはまだありましたが、この家での作業はこれで終了となりました。
「いっぱい汗かいただろ?シャワーでも浴びていくか? 昨日使えるようになったんだよ(笑)」
(昨日、うちの別の班のメンバーが風呂場で作業して使えるようにしてたんです)
「夏の花火大会、家からは奇麗に見えるから遊びにおいで」
何日も作業して信頼関係がしっかりできてました。
午前中の作業を終えて教会に戻る途中、石ノ森漫画館の前でイベントが行われていて沢山の人が集まってました。
まだ周りは瓦礫だらけなのに…復興に向けた強い決意が感じられて胸が熱くなりました。
GW6日目のフォトアルバムはこちら
コメント 0