2012年4月28日(土) 
 
今年もゴールデンウィークには東北です。

ボランティアでお世話になる団体の活動日の関係で今日1日が空いたので、レンタカーを借りて以前から気になっていた現場を見に行ってきました。

普段の仕事が下水汚泥の燃焼炉の開発をしている関係で、被災地の瓦礫の焼却処理の現場がどうなっているのか気になってました。

そこで、3か所の仮設焼却炉を設置して3年で全ての災害廃棄物の焼却処理を目指す仙台市の現場に行ってきました。

仙台市で発生した瓦礫は約135万トン。
これを市内3か所に設けられた搬入所で10種類以上に細分化を行い、できるだけ資源化します。
最終的に焼却処分されるのが26万5千トン。
これを搬入所に造られた仮設焼却炉で焼却処分します。

仙台駅からまっすぐ海の方へ15分ほど。
仙台市の蒲生地区に到着。
 
 
 
仙台市の被災地に行くのは初めて。
今まで行った場所と違って広い平野が広がっていて、見渡す限り更地になっていました。
被災地は場所が違えば被害の状況も違っていて、何度訪れても言葉を失います。








道路標識が折れ曲がっていました。
あの高さまで津波が来たということなんですよね…
 
 

蒲生の搬入場入口。


関係者以外は中には入れないので、可能な限り近くの道を探しながら進みます。
今でも災害廃棄物が搬入されていて重機で分別が行われていました。



蒲生の仮設焼却炉が見えてきました。
JFEエンジニアリング製のキルン式焼却炉。
去年の10月1日から稼働して1日90トンの廃棄物を焼却します。



これから焼却処分されると思われる木材が山積みになっていました。
これって元家とかなんですよね…


さらにすぐ近くに荒浜の仮設焼却炉。
川崎重工業製のキルン式焼却炉。
去年の12月1日に稼働。
3基の仮設焼却炉の中では最も処理能力が高く、1日300トン。



隣接した地区で焼却炉が24時間フル稼働している様子は圧巻です。



ここで大失敗。

事前に仙台市の仮設焼却炉の事を少しだけ下調べしていったんですけど、外観写真などは確認してなかったので、蒲生の搬入場の近くにある鉄塔(上の写真の一番左)を焼却炉と勘違い。
(実際は民間会社の工場。)

そこから蒲生仮設焼却炉を荒浜焼却炉、荒浜焼却炉を井土仮設焼却炉と勘違いして、井土仮設焼却炉を見ないで帰ってきてしまいました。
ある程度の下調べは必要ですね…[m:78]

実際の廃棄物の処理現場を見てきて感じたこと。
徹底した分別が大事。
最初の手間はかかるけど、分別することで焼却処分する廃棄物の量を減らせて最終的には処分時間の短縮につながると思います。

仙台市の災害廃棄物の処理は順調に進んでいると感じました。

ただし、これは政令指定都市で財源もあって、さらに仮設の焼却炉を設置する広い場所もあった好条件の自治体の話。
多くの自治体は処理能力の小さな処分所しか持たず、女川町のように災害廃棄物を置く場所の確保すら困難なのが実情。

災害廃棄物の問題は今後も気にしていこうかなと思ってます。